バナーラスから乗った寝台列車は、30日PM5時半頃、約1時間遅れて出発。翌朝の31日、AM6時半に到着予定でしたが、
濃霧の為、徐行運転となり、AM11時半、ようやくアグーラーに到着。濃霧とはいえ、5時間も遅れるとは・・・。
旅を急いではいけないインドですが、限られた時間で旅をする者には、ちょっと辛いですね。
長〜い乗車となりましたが、今回の列車の窓は密閉され、暖房が効いていて、暖かく、よ〜く眠る事が出来ました。

列車内で知り合った、1人で旅しているJさんと、3人でタクシーを乗り合い、タージ・マハール近くの宿を探しに向かいます。


第1希望の宿は満室でした。残念!!  近くの宿を5、6軒見て周り、屋上からタージ・マハルが1番綺麗に
見えるのと、建物の真ん中が吹き抜けなので明るいのが気に入り決めました。2人で1泊450ルピー。


宿から歩いて2、3分でタージ・マハルの正門に着きます。チケットを買って入るまでに、テロ警戒のため、
セキュリティチェック、手荷物検査、食品類は持ち込み禁止と、厳しい入場制限があり、時間がかかります。
外国人の入場料750ルピー(500ルピーは、インド考古学への寄付)(現地の人は入場料40ルピー)


タージ・マハル(世界遺産)。・・・ムガル帝国5代皇帝、シャー・ジャハーンが熱愛した、王妃のお墓。
完璧に左右対称が最も美しいとされ、1632年から22年の歳月をかけて腕利きの職人を集め、
2万人が携わり造られました。高さ74m、幅95mの白大理石の巨大な建造物。


目の前にドーンと広がるタージを見るとちょっとウルウルしてしまいそうです。本当に素晴らしい!!
こんなに大きいとは思いませんでした。それになんとも美しい!!コレが王妃の為だけに造られたお墓なのか?


白大理石の上は、靴を脱いで歩きます。内部へ入る為の長蛇の列は半端じゃ有りません。軽く1000人は超えて
いるでしょう。内部中心には王妃の大理石製の棺が置かれ、その隣りに少し小さな皇帝の棺が置かれている。
(内部は撮影禁止)皇帝の棺が置かれた事により、左右対称であるはずのタージが一部対称ではなくなったそうです。


壁には細かい装飾が施されている。  正面から見て右側のモスクからは、アーチをかぶったタージの撮影が出来ます。

ゆっくりしたいところですが、そうもいきません。列車の遅れが響き、予定が半日も狂ってしましました。
この時点で、PM3時、実は朝から何も食べずにスケジュールを進めています。喉は渇くし、お腹はとっくに
ペコペコです。タージの帰り道、後ろ髪引かれる思いで、次なる目的地に向かいます。


  大気汚染が進むインドでは、酸性雨でタージ・マハルの大理石が痛むことを考慮して、車は約1キロ離れた
駐車場に停め徒歩か、馬やラクダ車を使う。  私達はリクシャーでここから約2キロ離れた「アーグラー城」
に向かいます。20ルピーで交渉したのに着いたら「40ルピーだ。」と言われ、オジサンと揉めているところ。

乗車中は丁寧で感じが良く、いい人だと思ったので、友人と相談しポケットにチップを用意していました。
それなのに着いた途端にこうなるとはね〜・・・。  おじさんの行為にガックリしました・・・。
時間が無いし、チップを渡し、素早い解決となりましたが、お金は気持ちよく払わせてよ〜!!


「アーグラー城」(世界遺産)・・・ムガル帝国皇帝、アクバルによって築かれました。
赤砂岩でできた全長2.5kmの城塞内には、3つの宮殿、2つのモスク他、数多くの建築物が残っています。


ここの敷地はとにかく広くて、建物が横に長〜い。何処からどう写真を撮ったらいいのか分かりらず・・・
ご覧頂いても城内部の構造がさっぱり分からないと思いますので、皆さんのご想像にお任せしたします。


タージを建てた皇帝シャー・ジャハーンは息子によって幽閉され、城内の囚われの塔に
閉じ込められ、そこから妃の眠るタージ・マハルを眺めながら余生をすごしたそうです。
城から見たタージーは、靄の中に浮いているようで幻想的。美しい風景でした。


サリーを着たおばちゃんの集団、なかなかユニークな光景です。

観光を終えて町に戻り、先ずは「チャイ」を飲んでホッとひと息・・・ここのチャイ屋さんは店が地味で、
お母さんは謙虚で素朴な感じ。丁寧な行程でチャイを作ってくれて、旅行中、1番美味しかったです!!


本日最後のイベントです。宿を決めた際に、宿主から「今夜は屋上でディナーをしませんか?
カウントダウン・ダンスパーティーが有ります。」と勧められ予約しておきました。1人370ルピー。
そう今夜は、大晦日!!どんなパーティーかよく分からないけど、カウントダウンする場所が決まりました。

会場には1番乗りで駆けつけ、とにかく腹ごしらえです。なんせ朝から何も食べていませんから。
タージの食品類持ち込み禁止により、飴すら持参できずに観光していたので、もう限界に近い・・・
ビュッフェスタイルだし、「3食分食べてやろう。」と意気込んだけど、お腹って1食分しか入らないんですね〜。
インドに来てやっとビールともご対面!!格別です!!列車でご一緒したJさんとパーティで再び合流しました。


色んな国の人々が集い、始めは皆んなおとなしく会話していた。始めはね・・・


オランダ人カップル。女の子がとてもキュートで、誰とでも仲良く出来て、人懐っこくて可愛いんです。
しかし、持込のウオッカを浴び、ただの酔っ払いに変貌を遂げるさまは見ていて面白かった。


場の空気は夜更けと共に絶好調に!!ディスコミュージックに合わせ踊る者。カウント・
ダウンが始まる前から乾杯の嵐。国境を越えた大騒ぎの年越しは、いい思い出になりました。
屋上のある宿ではどこもパーティーをしていました。スーピーカーからの大音響や賑やかな声は
深夜2時まで町に響き渡り、住民はさぞかし迷惑だったでしょう・・・ゴメンナサイ・・・



 
2010年1月1日の朝、宿の屋上に行ってみると、日本人だけが3人いました。みんな1人旅、たくましいです。
「明けまして、おめでとう、ございます。やっぱり日本人はご来光を見ないとね〜。」と意見は一致。
ちり、ほこりが多いインドでは、朝日がこんなに赤い。


タージも何とか撮影出来る明るさになってきました。


今朝も晴れて良かった。屋上にいた日本人とも打ち解け、情報交換が出来たし、会話も弾みました。


一度部屋に戻ってチェックアウトしてから、再び屋上に上がり、タージを眺めながらの朝食です。
朝食のトースト・・・オーダーしてから30分位待たされた上に、ナイフとナイフってどういうこと??
階段下りて交換してもらうのも面倒なのでやめました。従業員も昨夜のパーティーでまだお疲れなのね。


今日は金曜日、タージはお休みです。今まで駆け足の旅だったし、出発までゆっくりと屋上で過ごす事にしました。
屋上からの眺めは目線も変わるし、静かで、心地よい風を感じながら最高の風景を楽しむ事が出来ました。


アーグラー・・・タージ・マハルは、想像していた以上に大きくてとても美しく、感動したのと、ここだけ
何か他と違う空気を感じました。また、当時の皇帝が、いかに力のある人間だったのか考えさせれられます。

インドに行く前から決めていた3人の役割がありまして、リーダーは旅の進行役(参加出来ませんでしたが)、
一緒に旅したアッちゃんは会計係り、そして何も特技が無い私は「野生の感??」で頑張る事にしていました。
リクシャーとトラブった時、ポケットに入れておいた小銭が役に立ったり(揉めてからお財布を見せるのは嫌でしたので)、
旅で1番美味しいチャイ屋さんにありつけたり、アーグラーでは「野生の感??」が、冴えていたかもしれません。

美味しいチャイ屋さんに立ち寄ってから、リクシャーでバススタンドに向かいます。リクシャーにはオートバイと
自転車タイプがあるのですが、自転車の方が乗り心地が良く、乗車位置が高くて眺めも良いので、この頃には
すっかり自転車の方がお気に入りになってしまいました。但し、距離を乗るときは時間がかかってしまうので
オートバイの方に乗ります。リクシャーとは日本の人力車が名前の由来になっているとか??ちょっと納得でしょ!!
デリーまで、バスで5時間。列車だと約2時間で行けますが、遅れるのが日常茶飯事。ここは手堅くバスにしました。


 
PM7時過ぎ、デリーに戻って来ました。最初に泊まった宿を訪ね「ただいま〜」。「おかえり〜」。挨拶をかわし、
また泊めてもらいました。デリーに戻り、一安心。だんだんと自分の中の緊張感が解けていくのが分かります

インドでは、宗教上の理由から飲酒出来る場所が限られています。ビールが飲めるレストランを探して夕食にしました。
右の写真はラッシー屋さん。宿の向かいにあり、出入りする度に必ず手招きするので、「バナナラッシー」をオーダー。
さすがに本場、濃い甘くて日本には無い美味しさ!!しかしクラッシュアイス入りで、ちょっとお腹が不安・・・。


一夜明けて、旅の最終日。インドに来て始めて乗ったオートリクシャーのオヤジが私達に気がついて声を
掛けて来てくれました。再会はちょっと感動でしたが・・・「俺のリクシャーで買い物に行こう。良い店があるから
案内するよ。」  何度断ってもしつこいのが、商売熱心??なインド人。もう慣れたから笑えましたけどね!!
右下は「炊き出し?」屋台に人が群がって何かを食べているので遠くから見ていると、オジサンに手招きされました。
迷っているとお皿を2つ両手に運んで来てくれました。受け取ったそれを私達が食べるのか、またまたインド人の興味の的。
粟の油煮のような、不明な食べ物でしたが、甘くて結構いけてました。まさか炊き出しを頂けるとは・・・ごちそうさまです。


残った時間とお金でお土産探し。バナーラスでも買ったのに、またストールとバッグを購入・・・。

行くことは無いだろうと思っていたインドを旅することが出来き、凄く幸せなのと感謝の気持ちでいっぱいです。
帰国した頃はインドに対して、楽しかったけど、ちょっと汚いし、貧富の差が有りすぎて、見ているのが辛い時もあり、
また行きたいかどうか?となると答えが出ませんでした。しかし時間が経つに連れて、インドの食べ物や人、匂い、音、
雰囲気を思い出すと、また行ってみたいとも思うようになりました。まだ知らない事も沢山あるし、いつか今度は3人でね!!


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